健康管理の上で、自分自身で行うことができる手段は、メリットとして考えられることが多いものです。自分自身で管理できない場合、受診の回数が増えて時間をとられ、これに伴い費用もかかってきます。
(画像はwikiメディアより引用)
足の静脈瘤についても、この法則があてはまります。足の静脈瘤では、痛みや不快感の症状だけではなく、見た目についても悩んでいる人は少なくないでしょう。悪化すると潰瘍になってしまい、痛みもひどくなる静脈瘤では、悪性ではないものの、生活上の不自由を強いられる人もいます。繰り返してできることが多く、治りづらいことも患者さんを悩ませています。
イギリスではこれまで、医療機関を受診し、看護師などによって包帯を巻いてもらうという管理が主流となっていました。この方法は、何層にもわたって圧力をかけることで、静脈の中から周りの組織に対してかかる圧力の影響を最小限に抑えるという目的で行われていました。けれども、毎回医療機関を受診して包帯を巻いてもらう方法をとる場合、受診回数が増え、これに伴って医療費もかさんでしまうことが問題になっていました。
最近になって、圧力をかけるという目的は変えないままに、患者さんが自分自身でつけ外しができる、弾性ストッキングが多く開発されてきました。そこで、英・ヨーク大学のDavid J Torgerson博士ら研究グループは457人の患者さんを対象に、これまで行われてきた「医療機関で包帯を巻いてもらう方法」と「自分で弾性ストッキングを履く方法」を比較。最終的に453人のデータを分析しました。
※調査機関の具体名が入ると良いと思います。
すると、包帯を巻いてもらった人と自分で弾性ストッキングを履いていた人の間では、その効果に差はありませんでした。また、弾性ストッキングを履いていた人の方が潰瘍が再発しにくいことがわかりました。
自分自身で管理ができる上に、実際に効果もある弾性ストッキングが、今後足の静脈瘤・潰瘍を抱える人の生活にどんどん取り入れられることになりそうです。ただし、すべての患者さんに弾性ストッキングがふさわしいわけではないかもしれないと、この研究ではまとめられています。症状に合わせて、適切な治療法を選ぶ必要はありますが、より簡単な手段で苦痛からも解放され、経済的にもメリットがある弾性ストッキングは患者さんにとって嬉しい選択肢となりそうですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Clinical and cost-effectiveness of compression hosiery versus compression bandages in treatment of venous leg ulcers
http://dx.doi.org/10.1016/
HTA – 07/60/26: VenUS IV (Venous leg Ulcer Study IV): A randomised controlled trial of compression hosiery versus compression bandaging in the treatment of venous leg ulcers
http://www.nets.nihr.ac.uk/projects/hta/076026