■後発品加算、4分の3が取得
本紙が例年行っている「全国保険薬局調査」によると、新人薬剤師の採用は前回調査よりも奮わず、採用(配属)できた薬局は10%を割り込んだ。また7割近くが後発品普及に向け積極的に患者説明し、後発医薬品調剤体制加算を算定している薬局は75%、後発品在庫は151~300品目という店舗が増加している。在宅患者の訪問指導を、報酬等を算定せず行っているケースが少なくないことなども分かった。一方、約7割の薬局でOTC薬販売などに際し受診勧奨しており、月に5人程度に達している。
調査は全国の保険薬局から無作為に抽出した3000軒を対象に実施し、413軒から回答が得られた(有効回答411軒)
今年度は6年制薬剤師が誕生して2期目となったが、病院での採用が増え、薬局側にとっては人材確保が厳しいとの声が聞かれていたが、今回の調査では採用(配属)があったと回答したのは408軒中34軒で、その割合は8・4%(前回12・2%)と1割に達しなかった。採用数に関しては33軒平均で0・5人だったが、このうち16軒で採用ゼロ、実際は採用できても1人というのが実態だったようだ。
また、今春の採用予定が「あり」としたのは353軒中43軒で12%(同16%)、採用予定数の平均は1・4人だった。人数の回答があった34軒のうち4分の3にあたる26軒が「1人」とした。初任給の予定は回答数は少ないが平均27万0806円となった。前回調査では約5000円程度の賃上げを予定していたが、今回は1000円にも満たなかった。
後発医薬品調剤体制加算の算定状況は、全体の約75%が3区分のいずれかを算定、このうち加算1は18%、加算2は23%、加算3は35%となった。前回に比べ加算3が3・6ポイント増加し、非算定は2ポイント減少した。
薬局側の患者対応については、「積極的に説明」が69%(同65%)と微増、「消極的には説明」29%(同31%)、「説明しない」3%(同5%)はいずれも微減し、7割近くが積極的に後発品普及に努め、結果として加算取得、高点数シフトにつながっていることがうかがえた。
また、後発品の在庫数は「50品目以下」が減少し10%を切った。一方、「301品目以上」は約15%(同20%)と減少、“151~300品目”が増加傾向を示した。ここ数年来の在庫数の底上げに加え、一般名処方の導入など各種普及策などが浸透してきた結果ともいえる。
在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定は17%(同19%)と前回並みで、平均患者数は約14人となった。一方、「算定していない」中にも「無償で届けている」も100軒を超え平均患者数も約14人に達していた。算定率が伸びてはいないものの、無償の形で薬剤師による“訪問指導”が行われているケースが決して少なくないことがうかがえる結果だった。
また、OTC薬販売の関係では、取り扱いなしは27%、1類のみは2%、1~2類は10%、全分類は61%だった。販売の際などで受診勧奨をすることが「ある」との回答は70%(63%)と7ポイント伸び、その勧奨数は月平均5人となった。