十分な審議のため延長
武田薬品工業株式会社は、米国食品医薬品局(FDA)に承認申請中の潰瘍性大腸炎及びクローン病治療薬vedolizumabについて、優先審査対象となっている成人の中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎を適応症とした申請に関する審査終了目標日を、延期する旨の通知を受けたと発表した。
2013年12月6日に提出した添付文書の記載案を含む承認申請の一部内容の修正案について、十分に審議する時間を確保するためとして、FDAは同適応症に関する新たな審査終了目標日を2014年5月20日としたという。
vedolizumabは、成人の中等度から重度の活動期クローン病を適応症としても承認申請中であるが、こちらは審査終了目標日に変更はなく、2014年6月18日である。なお、潰瘍性大腸炎の承認申請はFDAより優先審査に指定され、クローン病は通常審査とされている。
(画像はwikiメディアより引用)
炎症性腸疾患の新たな治療薬Vedolizumab
Vedolizumabは、潰瘍性大腸炎及びクローン病治療薬として開発中のヒト化モノクローナル抗体。消化管における血管やリンパ節に特異的に存在する細胞接着分子に結合することで炎症反応を引き起こすα4β7インテグリンに特異的に結合し、細胞接着分子への結合を阻害することにより、特定のリンパ球の消化管細胞への浸潤を阻害する。炎症性腸疾患の二大疾患といわれる潰瘍性大腸炎及びクローン病の治療オプションのひとつとして、期待される薬剤である。(堤朝子)
▼外部リンク
武田薬品工業株式会社 ニュースリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2013/