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中央社会保険医療協議会総会、次期薬価改革の骨子を了承―特例下げ幅は1.5~2%

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2014年01月08日 AM10:09

中央社会保険医療協議会は12月25日、次期薬価制度改革の骨子を総会で了承した。長期収載品については、後発品への適切な置き換えが図られていない場合に特例的な引き下げを導入し、初後発品収載後に適用される特例引き下げと一本化した。

骨子では、長期収載品について、後発品への適切な置き換え率をロードマップに示された60%と規定。後発品が薬価収載されてから5年経過した後も、後発品占有率が60%に達しない場合、最初の薬価改定で特例的な引き下げを行う。一方で、初後発品収載後の先発品に適用される現行の特例引き下げを廃止し、制度を一本化する。

新たな特例的な引き下げ幅については、後発品への置き換え率が20%未満の先発品で2・0%、40%未満の先発品で1・75%、60%未満の先発品で1・5%とした。2012年度薬価制度改革での追加引き下げ率が長期収載品で0・86%だったことを踏まえると、約2倍程度の引き下げ率となる。財政効果は、「現行の特例引き下げの1・5倍以上」(厚労省)という。

また、新薬創出等加算については、長期収載品の新たな特例引き下げを導入する一方、試行を継続する。その対象は、「真に医療の質の向上に貢献する医薬品」(小児・オーファン領域、難病・アンメットニーズへの対応等、既存治療薬では十分な効果が得られない疾患に対する医薬品)の研究開発を行っている企業の品目とした。

引き続き、真に医療の質の向上に貢献する医薬品の国内研究・開発状況を確認・検証すると共に、加算対象品目のあり方など、現行方式の見直しについても検討する。

さらに、世界に先駆け日本で承認を取得した場合の加算について、加算を受けた品目を再類似薬として類似薬効比較方式により算定する場合は、加算分を控除した薬価をもとに算定する。

■バランス欠き極めて遺憾‐内藤日薬連会長

日本製薬団体連合会の内藤晴夫会長は、今回の薬価制度改革で後発品への置き換えが進まない長期収載品の薬価を特例的に引き下げる新たな仕組みが導入される一方、新薬創出等加算の本格実施を見送る方向性が固まったことに対し、「著しくバランスを欠き、極めて遺憾」とする見解を発表した。

長期収載品の薬価制度については、既存の特例引き下げ廃止を「一定の評価ができる」とした上で、新たな仕組みが同じ品目に繰り返し適用されることから、「当該品目を有する企業への影響は甚大」と懸念を表明し、企業への影響を注視することとした。

また、後発品の薬価制度見直しにも言及し、「後発品使用促進に対する効果や企業経営、安定供給に与える影響についても今後しっかりと検証する必要がある」と指摘した。

さらに、業界が提案してきた必須医薬品の新たな薬価改定方式については、「第一歩として、一部の領域に最低薬価が設定されたものの、他に手当てがなされていない医薬品があると認識している」とし、検討を続ける意向を示した。

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