炎症性腸疾患治療薬Natura-alphaで契約締結
武田薬品工業株式会社は2013年12月20日、米・ニューヨークに拠点を置くバイオテクノロジー企業のNatrogen Therapeutics International, Inc. (以下、Natrogen社)と、Natrogen社が保有するNatura-alphaに関し、独占的開発権等の契約を締結したことを発表した。Natrogen社買収のオプション権も取得している。
この契約により、武田薬品工業はNatura-alphaのすべての適応症に関するグローバルでの独占的開発権等を得たという。Natura-alphaは、炎症性サイトカイン(インターロイキン-1、インターロイキン-6および腫瘍壊死因子)の発現を阻害し、消化管の炎症を抑制する低分子化合物。炎症性反応や炎症によって引き起こされる組織の破壊を抑制するサイトカインのインターロイキン-10産生を促進し、炎症性サイトカインを抑制すると考えられており、潰瘍性大腸炎の経口治療薬として、開発が進められている。
(画像はwikiメディアより引用)
Vedolizumabと合わせ、消化器疾患領域強化
Natura-alphaは現在臨床第2相試験の段階にあるが、今回の契約締結により、今後の臨床開発は武田薬品工業が実施することとなった。なお臨床第2相試験の実施国は非開示となっている。
Natrogen社では、薬剤の有効性と安全性を検討する臨床試験を実施し、そのうえで確実に承認申請のプロセスを経て上市できる専門知識や経済的リソースを有する製薬会社を探してきたとし、武田薬品工業をそのパーフェクトなパートナーと評価している。
武田薬品工業では、中等度から重度の潰瘍性大腸炎およびクローン病治療薬のモノクローナル抗体Vedolizumab(開発コード:MLN0002)も開発中であり、Natura-alphaの取得は同社の消化器疾患におけるポートフォリオ戦略に合致するとコメントしている。 (紫音 裕)
▼外部リンク
武田薬品工業株式会社 ニュースリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2013/