熊本大学の前田助教らが発見
熊本大学は12月16日、GANP分子がHIVウイルスの感染能力を消失させ破壊する酵素を、ウイルスの中枢へ運び込むことを発見したと発表した。
(画像はプレスリリースより)
これは、熊本大学大学院 生命科学研究部 感染免疫学講座 免疫学分野の前田和彦助教、Sarah Ameen Almofty大学院生、阪口薫雄教授らによるもの。研究グループは、GANP分子がCD4陽性ヘルパーT細胞内で増加し、HIVウイルス内に感染能力を消失させる分子であるシチジン脱アミノ化酵素のAPOBEC3Gを送り込むことを発見したという。
CD4陽性ヘルパーT細胞の活性化により
GANP分子はリンパ節内の増殖が活発な領域で発現上昇する分子として、2000年に同研究グループが発見した。これまでCD4陽性ヘルパーT細胞内での機能の報告はなかったが、今回の研究でCD4陽性ヘルパーT細胞の活性化によってGANP分子が増加し、APOBEC3Gをウイルスの中枢まで運び込むことができることが確認された。
今回の研究成果はウイルスの感染能力を消失させる分子を効率良くHIVウイルスに送り込むことを可能とする。これによりHIVウイルスを破壊し、感染を阻止することができる。(小林 周)
▼外部リンク
熊本大学 プレスリリース
http://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/pressrelease