歌にもありますが、どうしてお腹が空くか、という疑問について、考えてみたことがありますか?また、どんなにおいしい食べ物でも、お腹が破裂するほどは食べられないのは、なぜだろう?と、不思議に思ったことはありませんか?
(この画像はイメージです Keerati/FreeDigitalPhotos.net)
こうした疑問について、科学的な答えを見いだそうとした実験が、豪州・アデレード大学で行われました。まだ、ヒトを対象にしたレベルではありませんが、実験室データとしては、納得のいく発見がでたとのこと。
食べる時間や量をコントロールしているのは、胃の中の神経だったのです。この神経は、胃袋に食べ物が入ったり、消化されたりして、伸び縮みすることに反応します。胃の壁が伸びると、満腹になったという信号を脳に送って、食べることをストップさせるのです。
この反応は、身体が活発に動いているときには最小限に抑えられています。これによって、活動の量に見合った、たくさんのエネルギーを摂り入れられるようになっているのです。一方で、睡眠中など、身体の活動レベルが低い状態では、最も敏感に反応します。そして、余分なエネルギーを摂りすぎないように、自然とセーブするというわけです。
この研究論文は、専門誌The Journal of Neuroscienceに掲載されました。空腹感や満腹感がどのように脳に伝えられるかを解明した画期的な調査とされています。
お腹が減るメカニズム。食べ過ぎないメカニズム。当たり前のことに感じていましたが、繊細な「腹時計」が働いていたんですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Circadian Variation in Gastric Vagal Afferent Mechanosensitivity
http://www.jneurosci.org/content/33/49/