2013年世界糖尿病会議で発表
米イーライリリー・アンド・カンパニーと独ベーリンガーインゲルハイムは12月3日、新たに2型糖尿病と診断されてから12カ月未満の、血糖コントロールが不十分な薬物療法未実施の成人患者における、リナグリプチン単独療法、およびメトホルミンとの併用療法(1500mg、または2000 mg)を評価した第4相試験の新たなデータを発表した。
(この画像はイメージです)
成人2型糖尿病患者にとって有効な選択肢
この試験では、平均HbA1c9.8%の成人2型糖尿病患者316名を対象に、リナグリプチン1日1回の単独療法群(n=157)と、リナグリプチン1日1回にメトホルミン1日2回(最大投与量2000mg/日)を投与初期から併用した併用療法群(n=159)を二重盲検下にて24週間にわたり観察したという。
その結果、リナグリプチン単独療法、メトホルミン併用療法により、HbA1cはベースラインからそれぞれ2.0%、2.8%と有意に減少。 さらに併用療法によるHbA1cの低下は、単独療法より有意に優れていたとしている。
また、単独療法と併用療法において、24週目にHbA1c7%未満の目標を達成した患者の割合は、それぞれ39%と61%。低血糖の発現率は、それぞれ3.2%と1.9%で、体重の変化は単独療法群では認められず、併用療法群で減少したという(治療群間の差–1.3 kg)。なお、副作用や重篤な有害事象はどちらの群でも認められず、忍容性に優れていたとしている。
独ベーリンガー社医薬品開発担当上級副社長であるPfor.クラウス・デュギは、
2型糖尿病の初期段階で血糖値を改善することは、診断時に血糖値が高い患者で特に重要です。リナグリプチン単独療法とメトホルミンとの投与初期からの併用療法のいずれにおいてもHbA1cが大きく低下したことは、2型糖尿病の患者にとってこれらの治療選択肢が有効であることを表しています。(日本イーライリリー株式会社 プレスリリースより引用)
と述べている。(伊藤海)
▼外部リンク
日本イーライリリー株式会社 プレスリリース
https://www.lilly.co.jp/pressrelease/2013/