■骨子たたき台示す
厚生労働省は18日、次期薬価制度改革の骨子のたたき台を、中央社会保険医療協議会薬価専門部会に示した。後発品の初収載薬価を先発品の0・6がけとし、後発品に置き換わっていない長期収載品の新たな特例引き下げや「世界先駆け加算」の導入も大筋で了承された。ただ、新薬創出等加算の制度化については、診療側、支払側委員から異論が相次ぎ、来年度以降も試行を継続する方向性が固まった。次回予定の25日に骨子をまとめる見通し。
たたき台では、剤形や規格が同一の後発品の既収載品群について、▽最高価格の30%を下回る算定額の全品目を加重平均した算定額(統一名)▽最高価格の30%以上、50%を下回る算定額の全品目を加重平均した算定額(銘柄別)▽最高価格の50%の額以上の算定額の全品目を加重平均した算定額(銘柄別)――と価格帯を三つにまとめる方針を示した。
初収載の後発品薬価については、内服薬で銘柄数が10を超える0・6がけ品目の薬価が24・7%、0・7がけ品目の薬価が16・3%下落し、実質的に0・5がけ、0・6がけ状態になっていることから、先発品の0・6がけ、10品目以上は0・5がけとする方針を示した。バイオ後続品は、先行バイオ医薬品の薬価の0・7がけを維持する。
長期収載品については、後発品の薬価収載後5年経過した後も、新指標となる60%が後発品に置き換わっていない場合、最初の薬価改定で特例的な引き下げを行う。その上で、後発品初収載後に適用される特例引き下げと一本化する。
引き下げ幅については、未達の程度に応じて20%未満、40%未満、60%未満の場合で設定し、新たな特例引き下げ額は、現行の特例引き下げ額を上回るようにする。
大きな焦点となっている新薬創出等加算は、新たな特例引き下げの導入を前提に「制度化」する方向性を提案。適応外薬・未承認薬や真に医療の質向上に貢献する研究開発を行っている企業の新薬に限定し、これらを行わなくなった場合は加算額の累積分を引き下げる条件付きとした。
ただ、委員からは「医薬品のミスマッチが残されており、制度化には無理がある」「恒久化と制度化の違いについて納得いく説明がない」などと慎重意見が相次ぎ、試行を継続する方向性が固まった。