米ワシントンD.C.開催の第67回アメリカてんかん学会で発表
大日本住友製薬株式会社は12月10日、同社の米国子会社であるサノビオン社が、抗てんかん剤「APTIOM(R)(アプティオム)」(一般名:エスリカルバゼピン酢酸塩)について、成人てんかん発作の単剤治療に関する第3相臨床試験の結果と、成人部分てんかん発作の併用療法に関する3つの第3相臨床試験の統合解析の結果を、ワシントンD.C.で開催されている第67回アメリカてんかん学会で発表したことを明らかにした。
「APTIOM」は、電位依存性のナトリウムチャネル阻害薬。ポルトガルの株式非公開製薬企業Bial-Portela & Ca社(以下、Bial社)が研究開発して生み出したもので、その後サノビオン社が米国とカナダ市場における独占的な開発・販売権を同社より得ている。
欧州では、Bial社が成人の部分てんかん(二次性全般化を含む)における併用療法を効能・効果とし、2009年4月21日付で欧州委員会の承認を取得。Bial社およびライセンシーであるエーザイ株式会社の欧州子会社から「Zebinix(R)」の商品名で販売している。
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単剤治療に関する第3相臨床試験結果
成人てんかん発作の単剤治療に関する2つの第3相臨床試験、093-046試験および093-045試験では、既存の1~2種類の抗てんかん剤でコントロール不十分な患者において、発作のコントロール率でこれまでの治療を上回る結果が得られ、ベースラインから30.9%~47.5%の発作頻度の減少が認められたという。
両試験における主要エンドポイントは、従来の治療と比較し、事前に定義された終了基準を満たす16週間のタイトレーション後の患者の割合。95%信頼区間の上限が事前の規定数値を下回り、有効性が確認されている。
併用療法に関する第3相臨床試験の統合解析結果
また、成人部分てんかん発作の併用療法に関する3つの第3相臨床試験、301試験、302試験、304試験の統合解析の結果についても発表され、こちらでは1日1回800mgおよび1,200mg投与群において、てんかん発作頻度がプラセボ投与群と比較したとき、統計学的に有意な改善を示すことが確認されたという。
さらに「APTIOM」投与群では、発作頻度が50%または75%減少した患者の割合においても、プラセボ群と比較して高い数値を記録している。
「APTIOM」は、こうした試験データをもとに、2013年11月、成人部分てんかん発作に対する併用療法で、米国食品医薬品局(FDA)による承認を取得し、現在発売に向けて準備が進められている。発表によると、これに加えて、成人部分てんかん発作の単剤治療を対象とした追加効能の申請を2014年春にも行う予定とされており、併用療法・単剤治療の両面での提供が目指されている。(紫音 裕)
▼外部リンク
大日本住友製薬株式会社 ニュースリリース
「単剤治療に関する第3相臨床試験結果の発表について」
http://www.ds-pharma.co.jp/pdf_view.php?id=559
「併用療法に関する第3相臨床試験統合解析結果の発表について」
http://www.ds-pharma.co.jp/pdf_view.php?id=560
AMERICAN EPILEPSY SOCIETY
http://www.aesnet.org/