症候性静脈血栓塞栓症の第3相試験「Hokusai-VTE試験」
第一三共株式会社は12月10日、同社が創製した抗凝固剤(経口FXa阻害剤)「エドキサバン」(一般名:エドキサバントシル酸塩水和物)の第3相臨床試験「Hokusai-VTE試験」におけるサブグループ解析結果を発表した。
Hokusai-VTE試験は、急性症候性の深部静脈血栓症および肺塞栓症患者における症候性静脈血栓塞栓症(VTE)の治療・再発抑制に関する臨床試験である。エドキサバンを1日1回経口投与し、その有効性と安全性をワルファリンと比較して評価するもので、37カ国439の医療機関において、がん患者を含む広範囲のVTE患者8,292人を対象に行われた。
Hokusai-VTE試験の結果については、8月31日から9月4日に行われた欧州心臓学会2013で発表されていた。エドキサバンはワルファリンに対して、有効性の主要評価項目であるVTEの発現率では非劣性(エドキサバン群3.2%、ワルファリン群3.5%)、臨床的に重大な出血の発現率では優越性(エドキサバン群8.5%、ワルファリン群10.3%)が示されていた。
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がん患者のサブグループ解析でも同様の有効性と安全性
今回行われたサブグループ解析の対象は、Hokusai-VTE試験に登録された患者のうち、低分子ヘパリンの長期投与が予定されていない、がんに罹患している患者208名と、がん既往歴のある患者563名。
解析の結果、VTEの発現率はエドキサバン群で3.7%、ワルファリン群で7.1%、臨床的に重要な出血の発現率は、エドキサバン群で12.4%、ワルファリン群で18.8%であり、がん患者を対象としたこのサブグループ解析においても、先の研究と同様の有効性と安全性を示したとしている。
VTEは、がん患者によくみられる合併症で再発リスクも高い。VTEを発症したがん患者では、がんに罹患していない患者と比較して、急性の血栓イベントによる死亡リスクが4~8倍高く、さらに、VTEを発症していないがん患者より生存率も低いとされている。(鈴木ミホ)
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第一三共株式会社 プレスリリース
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