カテーテルを用い血流再開
国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門血管科は12月5日、閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)に対しカテーテルを用いた新治療を行い、血流再開に成功したことを発表した。この結果は、米科学誌「Journal of Endovascular Therapy」2013年8月号、および科学誌「Cardiovascular Intervention and Therapeutics」オンライン版に11月12日付で掲載されている。
(画像はプレスリリースより)
新治療は閉塞した血管やバイパスにカテーテルを通して再開通させ、血流を再開させるというもの。同センターは2012年9月と11月に30代女性と60代男性のバージャー病患者に対してこの治療を行い、成功させた。治療の直後から痛みは消え、創部のケアによって壊疽は完治したという。
また、その後も同じ治療を4例のバージャー病患者に対して行い、良好な成績を得たとしている。
新たな治療法となることに期待
バージャー病の患者数は国内で約10,000人とされている。発症は喫煙者を中心に比較的若年層に多く見られ、禁煙や薬物療法、外科的バイパス手術といった治療が行われるものの成績はあまり良くない。
今回の新治療成功についてプレスリリースでは
このたびカテーテル治療の成功を受け、今後さらにカテーテル治療における手技の工夫や薬剤溶出性バルーン・薬剤溶出性ステントなどの新たな器具の開発が進めば、これまで難治性とされてきたバージャー病に対する新たな治療法となる可能性があります。(国立循環器病研究センター プレスリリースより引用)
とされている。(小林 周)
▼外部リンク
国立循環器病研究センター プレスリリース
http://www.ncvc.go.jp/pr/release/