SGLT2阻害剤
大正製薬株式会社は12月3日、製造販売承認申請中のナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤「ルセオグリフロジン水和物」(以下、ルセオグリフロジン)について、日本で実施した第3相試験の結果を発表した。
ルセオグリフロジンは、腎尿細管において糖の再吸収を行う輸送体であるSGLT2を選択的に阻害することにより、糖を尿とともに体外に排泄し、血糖値を低下させる新規作用機序の薬剤である。
(画像はwikiメディアより引用)
スルホニルウレア剤グリメピリドとの併用
発表された試験は2試験で、ひとつは、スルホニルウレア剤グリメピリド単剤で血糖管理が不十分な日本人2型糖尿病患者221例を対象に、ルセオグリフロジン2.5mg、又はプラセボを二重盲検下で1日1回24週間経口投与する試験であった。
その結果、ルセオグリフロジンによりヘモグロビンA1c (HbA1c)が有意に低下し、投与終了時におけるベースラインからのHbA1c低下量のプラセボとの差は-0.88%(p<0.001)であった。投与開始後52週までの非盲検投与期において、ルセオグリフロジン2.5mg(血糖コントロールが不十分な場合には5mg)を1日1回投与した結果、HbA1cが有意に低下し、投与終了時におけるベースラインからのHbA1c低下量は-0.63%(p<0.001)であったという。
5剤との併用
もうひとつの試験では、既存の経口血糖降下薬であるメトホルミン、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬、ピオグリタゾン、速効型インスリン分泌促進薬もしくはαグルコシダーゼ阻害薬の単剤投与で血糖管理が不十分な日本人2型糖尿病患者487例を対象に、ルセオグリフロジン 2.5mg(血糖コントロールが不十分な場合には5mg)を非盲検下で1日1回52週間投与した。
その結果、ルセオグリフロジンによりすべての併用薬群でHbA1cが有意に低下し、投与終了時におけるベースラインからのHbA1c低下量は-0.52%~-0.68%(p<0.001)であった。また両試験の解析結果より、ルセオグリフロジンは空腹時における血糖値を有意に改善するとともに、体重を有意に減少させることも明らかになったという。さらに、安全性に関しても良好なプロファイルが確認されたとしている。(堤朝子)
▼外部リンク
大正製薬ホールディングス ニュースリリース2013年
http://www.taisho-holdings.co.jp/release/