脈絡膜新生血管の適応
バイエル薬品株式会社は、11月28日にバイエルヘルスケア社が日本においてVEGF Trap-Eye(アフリベルセプト硝子体内注射液)について、病的近視における脈絡膜新生血管(mCNV)の適応の追加承認を申請したことを発表した。
VEGF Trap-Eyeは、すでに欧州・米国・日本・オーストラリアなど、多くの国々において滲出型加齢黄斑変性の適応で承認され、「アイリーア(R)」というブランド名で販売されている。さらに網膜中心静脈閉塞症(CRVO)に伴う黄斑浮腫による視覚障害の適応でも欧州で、またCRVOに伴う黄斑浮腫の適応でも米国・日本などで承認されている。
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病的近視と合併するmCNVは主要な失明原因の1つ
脈絡膜新生血管をはじめとした様々な合併病変が網膜に発生する病的近視は、日本人の失明の主要原因の1つとなっている。脈略膜新生血管は予後不良な疾患であり、治療しないまま放置した場合、多くの患者は約10年で失明する可能性がある。
広がる治療選択肢
現在最も注目されているのは、脈絡膜新生血管を萎縮させる抗VEGFを硝子体に注射する治療法で、今後治療の主役になることが期待されている。VEGF Trap-Eyeは、可溶性のデコイ(おとりの)受容体としてVEGF-Aと胎盤成長因子に結合することにより、本来のVEGF受容体への結合および活性化を阻害することができるという。
バイエル ヘルスケア社の経営委員会メンバーでグローバル開発責任者のケマール・マリック氏は
「「残念ながら mCNVは予後不良であり、患者さんの多くが労働年齢にあります。こうした患者さんの差し迫った医療ニーズに応えるため、より多くの治療選択肢が必要とされています。視力を脅かす状態の予後改善のため、VEGF Trap-Eyeを日本の患者さんおよび眼科の医療現場にいち早くお届けできることを願っています」(バイエル薬品株式会社 プレスリリースより引用)
とコメントしている。(鈴木ミホ)
▼外部リンク
バイエル薬品工業株式会社 プレスリリース
http://byl.bayer.co.jp/html/press_release/2013/