厚生労働省は6日、現行薬価と市場取引価格の開きを示す平均乖離率が、9月取引分で約8・2%だったとする薬価本調査結果の速報値を、中央社会保険医療協議会総会に報告した。前回調査に比べて薬価の開きは0・2ポイント縮小した。流通安定のための調整幅を2%とすれば、調査に基づく薬価引き下げ率は約6・2%となる。具体的な下げ幅については公表していない。
今回の薬価調査で報告されたのは、9月取引分について、販売サイドから10月29日までに報告があったものの集計結果。
市場規模の大きい主な薬効群別の乖離率を取引金額上位で見ると、内用薬では「血圧降下剤」が9・3%、「消化性潰瘍用剤」が11・5%、「高脂血症用剤」が10・6%、「糖尿病用剤」が8・9%、「精神神経用剤」が8・2%、内用薬全体では8・8%となった。最も大きい乖離率となったのは「血管拡張剤」で12・4%だった。
注射薬では「他に分類されない代謝性医薬品」が8・1%、「血液製剤類」が2・6%、「その他の抗腫瘍薬」が5・8%、「その他のホルモン剤」が6・9%、注射薬全体では6・8%だった。
外用薬では「鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤」が8・0%、「眼科用剤」が6・9%、「その他の呼吸器官用薬」が7・0%、外用剤全体で7・2%だった。
今後、薬価調査の結果をもとに、新薬創出等加算品目や市場拡大再算定品目等が決まるため、引き下げ率が変動する可能性がある。
また、厚労省は同日、9月取引分の医療用医薬品の納入価格妥結率は73・5%と、前回調査の78・1%を下回ったことを明らかにした。厚労省によると、前回に比べて特に20店舗以上のチェーン調剤薬局で妥結率が大きく低下していた。
表:主要薬効群別 乖離率