低容量アスピリン投与にともなう胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発抑制に関する追加申請
11月28日エーザイ株式会社は、プロトンポンプ阻害剤「パリエット(R)」(一般名:ラベプラゾールナトリウム)について、低容量アスピリン投与にともなう胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発抑制に関する新たな効能・効果を追加し、あわせて5mg錠の剤型追加の申請を行ったと発表した。
プロトンポンプ阻害剤「パリエット」は、1997年に日本で最初に発売され、現在は世界100カ国以上で承認されている。胃潰瘍・十二指腸潰瘍・逆流性胃腸炎・非びらん性胃食道逆流症などに効果があり、またヘリコバクター・ピロリの除菌補助などの効果・効能も有している。現在は、10mg錠と20mg錠を取り揃えている。
(画像はWikiメディアより引用)
低容量アスピリンによる消化管粘膜障害
近年、脳梗塞や心筋梗塞の再発予防のために低容量アスピリンを長期間服用する高齢の患者が増加している。低容量アスピリンの投与を続けると上部消化管粘膜障害が発生しやすくなるが、低容量アスピリンは安易に休薬できないため、心血管系イベントの予防治療を継続しつつも、上部消化管粘膜障害の発生を抑制することが臨床上の課題となっている。
プロトンポンプ阻害剤「パリエット」 潰瘍の再発を抑制
「パリエット」の効能・効果の追加申請に用いた、臨床第2/3相二重盲検比較試験は、低容量アスピリンの長期投与を必要とする胃潰瘍・十二指腸潰瘍の既往歴のある患者472人を対象として行われた。その結果、ラベプラゾールナトリウム5mg投与群・10mg投与群の双方で、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の累計再発率が対照群と比較して有意に低下し、潰瘍に対する優れた再発抑制効果を示したという。また、ラベプラゾールナトリウムの安全性プロファイルは、これまで確認されているものと同様であり、想定外の新たな有害事象は発生しなかったとしている。
同社は、今回の効能・効果・新規剤型の追加申請により「パリエット」の臨床的価値が高まり、酸関連疾患の患者の治療に、一層の貢献ができるとしている。(鈴木ミホ)
▼外部リンク
エーザイ株式会社 プレスリリース
http://www.eisai.co.jp/news/