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厚生労働省、大型門前と地域薬局を区別―調剤報酬改定の方向性示す

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2013年12月06日 AM09:54

厚生労働省は5日、次期調剤報酬改定に向けた論点を、中央社会保険医療協議会総会に示した。チェーン調剤薬局等の大型門前薬局と地域密着型薬局の評価を区別し、本来の医薬分業を進めていく方向性を打ち出したほか、後発医薬品調剤体制加算の要件の調剤数量割合を引き上げ、ロードマップの新指標に変更することを提案した。さらに残薬の薬学的管理指導の充実に向け、大病院から処方された薬剤を原則的に分割調剤し、2回目以降は必要量を調剤する取り組みを試行導入することなどを示した。

医療経済実態調査の結果では、20店舗以上の同一法人の保険薬局で収益率が高い傾向が判明した。厚労省は、処方箋の集中率が高い門前薬局には低い調剤基本料が適用されているとした上で、本来の医薬分業の姿として面分業を推進することが望まれていると指摘。保険薬局の店舗数や処方箋枚数等に着目し、門前薬局と地域密着薬局の評価を区別する論点を示した。

後発品の使用促進をめぐっては2010年度、12年度改定で体制加算要件の調剤割合を見直した結果、薬局の分布が高い方向へシフトしていると指摘。さらに調剤割合を引き上げ、同加算にロードマップの新指標を用いる変更を提案。後発品の調剤量が少ないにもかかわらず、新指標の数量シェアが高くなる品目に偏りのある薬局は加算対象外とする方針も示した。さらに、一般名処方された医薬品は原則として後発品が使用されるよう患者に説明し、後発品が選ばれるよう努めることを保険薬局および保険薬剤師療養担当規則で規定する方向性も提案した。

薬学的管理指導の充実に向けては、疑義の発見や後発品使用の意向を確認するタイミングとして、処方箋受付時が最も多いとの調査結果が得られたため、服薬・残薬状況の確認、後発品使用に関する患者の意向確認を、調剤前の処方箋受付時に行うことを提示した。

残薬の対応については、確認や解消が薬局に求められる機能とされながら、薬局が関与しても大量の飲み残しが発生しているケースもあると指摘。中医協で示された長期投薬の論点も踏まえ、特定機能病院等の大病院から処方された薬剤は原則として分割調剤し、2回目以降は主治医と連携して必要量を調剤する対応の試行導入を挙げた。

一方、緩和ケア推進が求められる中、医療用麻薬のニーズが増加傾向にあるものの、麻薬の無菌製剤処理が診療報酬上評価されていないとし、無菌製剤処理の対象薬剤に医療用麻薬を追加する方針を提示。高度な技術が要求される小児患者の無菌製剤処理についても成人と区別して評価することを示した。

■調剤基本料に批判集中‐分業効果へ疑問の声も

この日の総会では、調剤報酬をめぐって、医師の診療側委員、支払側委員から厳しい意見が相次いだ。鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は、後発品体制加算の算定要件として調剤割合を引き上げる提案について「さらに引き上げる必要はない」と一蹴した。

安達秀樹委員(日本医師会社会保険診療報酬検討委員会委員長)は、「医科と歯科の基本診療料に比べ調剤基本料は算定しやすい」との認識を示し、「調剤基本料の算定要件を議論すべき時期」と迫った。中川俊男委員(日本医師会副会長)も調剤基本料の算定しやすさを指摘しつつ、「営利企業のチェーン調剤薬局に利益が偏在している」と批判した。

支払側の白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)も「薬剤費が大きく伸びる中で医薬分業が進んだ結果、患者負担が増えている。それに見合う効果を残念ながら聞いたことがなく、実感できるものもない」と分業の効果に疑問を呈し、医師の診療側委員の問題提起に同調した。

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