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日本ベーリンガーインゲルハイム メディア向けセミナー「HCV Media Academy」を開催

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2013年12月05日 PM05:54

C型肝炎治療ガイドライン第2版公開に合わせ

一般社団法人日本肝臓学会は2013年11月27日、「C型肝炎治療ガイドライン」の第2版を同学会ホームページ上で公開した。このガイドラインは、肝炎の診断・治療に関する公式な見解を表明し、実臨床における肝炎治療の標準化および充実を図ることを目的として制作されたもの。今回の改訂では、シメプレビルについての項を新設し、治療のフローチャートを大幅に改変。テラプレビルとシメプレビルの第3相試験での治療成績、ペグインターフェロン・リバビリンの投与量の図表を挿入している。

(画像はWikiメディアより引用)

これに合わせ、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は2013年11月27日、メディア向けセミナー「HCV Media Academy」を開催。「C型肝炎に対する薬物療法の進歩~DAAs時代の新たな課題~」と題し、関西労災病院病院長で日本肝臓学会監事の林紀夫先生がC型肝炎におけるこれまでの薬物療法の実態と、現在開発中の薬剤と今後の課題について講演した。

テラプレビルの登場 患者の負担は大幅に減少

林先生は冒頭、ガイドライン改正以前の日本における肝炎ウイルスとその治療法を説明。全体の7割を占める1b型の日本人肝炎患者にはインターフェロンが効きにくいこと。そして患者は主に60歳以上の高齢者に多くみられることから、新たな治療法確立が急務だったと語った。

近年肝炎治療において、ペグインターフェロン(Peg-IFN)・リバビリン(RBV)・テラプレビル(TVR)の3剤併用治療が登場したことにより、ウイルス陰性化率(SVR)が飛躍的に向上。Peg-IFN とRBVが使用できる患者に対して治癒する確率が上昇。また、治療期間が従来の半分、24週間に短縮したことで患者の負担が軽減している。

インターフェロンフリーの課題とは

そして、新たな選択肢となるインターフェロンフリー治療は、2014年後半以降に可能となる予定という。だが、この治療法はNS5A耐性変異をもつ患者に対しては、NS5A阻害剤を含む治療法の効果が低く、新たな変異を発現させるリスクがあると語った。

経口剤治療で無効と判断された結果、将来の治療の機会を逃す可能性もあり、最適な治療を選択するために、専門医の知識向上と発がんリスクと向き合った適切な治療選択が最重要課題になるとしている。(QLife Pro編集部)

▼外部リンク

一般社団法人 日本肝臓学会 C型肝炎治療ガイドライン
http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/

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