世界のグローバル企業等と連携
エーザイ株式会社は、世界中のグローバル製薬企業7社と6つの研究機関による、結核に対する革新的な創薬を目指す「Tuberculosis Drug Accelerator」(以下TBDA)パートナーシップに参画したことを、11月25日発表した。
(画像はwikiメディアより引用)
化合物ライブラリーの共有等による研究の加速化
TBDAは、AbbVie、アストラゼネカ、バイエル、イーライリリー、グラクソスミスクライン、メルク、サノフィの7社と、各国にある6つの研究機関により、2012年6月に設立されたパートナーシップ。ビル&メリンダゲイツ財団の支援を得て、研究開発の早期段階での連携と、結核に対する化合物の探索を行う。参画企業は自社の化合物ライブラリーの一部を参画メンバーに公開し、データを共有。パートナーシップの長期目標として、既存の6か月の治療法に対し、1ヵ月の服用で結核が完治しうる新しい併用療法の開発を目指すとしている。
結核治療期間の短縮と中断抑止
結核は、治療と予防が可能な疾患と言われているにも関わらず、2011年には年間140万人が命を落としており、世界で2番目に死亡者数が多い疾患である。その背景として、第1選択薬が古い薬剤であるため、十分な治療効果が得られないことが挙げられる。また、治療期間が6ヶ月と長いために、途中で服用をやめてしまうことも、十分な治療効果を得られない要因の一つである。そのため、TBDAでは治療期間の短縮と治療中断率の減少を目指しているという。
エーザイでも、今後結核に対する化合物スクリーニングに向けて、自社の化合物ライブラリーの一部を提供し、候補化合物を見出した場合には、その化合物をパートナーと共有し、積極的に結核に対する新しい治療法の創出に協力していくとしている。このような企業や国の枠組みを超えた協力体制が、新しい医療の創出に貢献するものになることを期待したい。(長澤 直)
▼外部リンク
エーザイ株式会社 プレスリリース
http://www.eisai.co.jp/