初回治療の患者を対象に第3相臨床試験
中外製薬株式会社は11月22日、「アバスチン(R)点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL」(一般名:ベバシズマブ)について、卵巣がんに対する効能・効果追加の製造販売承認を取得したことを発表した。
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今回の追加承認取得は、初回治療の卵巣がん患者を対象にした第3相臨床試験に基づいたもの。標準化学療法とされているカルボプラチン・パクリタキセル療法にアバスチンを併用し、標準化学療法終了後にアバスチンを継続維持投与した結果、標準化学療法のみの投与を受けた患者と比較して主要評価項目である無増悪生存期間が統計学的に有意に延長することが示され、忍容性も確認されたという。
さまざまながんに効果
アバスチンは、腫瘍の増殖と転移に必要な血管の新生に重要なVEGFに特異的に結合することでその作用を阻害する抗体医薬品。転移性の結腸・直腸がんの治療薬として2004年2月にアメリカで承認を取得し、それ以来さまざまながんの標準治療薬のひとつと位置づけられている。
日本においては2007年4月に治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん、2009年11月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(扁平上皮がんを除く)、2011年9月に手術不能または再発乳がん、2013年6月に悪性神経膠腫を効能・効果として承認を取得した。同剤が導入されることで、卵巣がんの治療がより発展していくことを期待する。(小林 周)
▼外部リンク
中外製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.chugai-pharm.co.jp/hc/ss/news/