慢性疼痛に関する調査の経緯
ファイザー株式会社は、QOLを損ねることに繋がる慢性的な「痛み」に関して、日本独特の言語表現や意識などの実態を把握するため、全国の20才以上の男女(一次調査179,433名、本調査8,183名)を対象に、インターネット調査を実施。11月20日、結果を発表した。
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体に感じる痛みは1種類ではなく、その痛みの性質に応じた適切な治療が重要とされているが、その際に医師と患者にコミュニケーションギャップがあることは、未だ解決されていない診療課題のひとつである。
痛みは検査による数値など客観的な評価が難しく、自分自身でしか感じることができない。そのため、より良い診療の実現するために、患者は、痛みの種類を出来るだけ正確に伝え、医師・看護師などは、それを的確に理解する必要である。今回はその要素を検証した。調査期間は9月20日~9月30日である。
7割が痛みを言葉で上手く説明できなかった経験あり
調査の結果、慢性疼痛を抱えて通院経験のある人の74.7%が、医師・看護師に自身の痛みを言葉で上手く説明出来なかった経験を有していることが明らかになった。また、自身の痛みを表現する際、擬音語・擬態語=オノマトペを82.8%が活用していると答えている。
医師や看護師に対して、体の痛みの表現にオノマトペを使用した理由については、割合の高い順から、「感覚的/直感的に表現できるから」が58.1%(3,940人)、「痛みを適切に表現できるから」が46.7%(3,166人)、「短いことばで伝えられるから」が22.7%(1,537人)という結果になった。
オノマトペを活用した際、相手からの理解に手応え
医師や看護師に対し、痛みを伝えるためにオノマトペで表現したことがある人(6,780人)を対象にした調査で、医師や看護師から痛みを理解してもらえたという手応えがあったかどうかという設問には「よく理解してもらえたと感じた」が7.1%(481人)、「だいたい理解してもらえたと感じた」が73.6%(4,988人)であり、合計すると80.7%(5,469人)が有益な手応えを感じていることが明らかになった。
今回の調査の結果により、医療従事者に痛みを伝える時にオノマトペを活用すると、お互いにとってより良いコミュニケーションとなり、効果的な治療へ結びつくという認識が広まることが期待される。(伊庭)
▼外部リンク
ファイザー株式会社 プレスリリース
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/