2つの臨床用量についてワルファリンと比較し非劣性を検証
第一三共株式会社(以下、第一三共)は、抗凝固剤(経口FXa阻害剤)エドキサバン(一般名:エドキサバントシル酸塩水和物)の非弁膜症性心房細動に伴う脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制に関する第3相臨床試験(ENGAGE AF-TIMI 48試験)の結果を発表した。同発表は「New England Journal of Medicine」においてオンライン掲載された。
ENGAGE AF-TIMI 48試験は、国際共同、無作為化、二重盲検、第3相臨床試験であり、エドキサバンの2つの臨床用量(60mg、30mg)についてワルファリンと比較し、非劣性を検証するための試験。46カ国、1,393の医療機関で血栓塞栓症のイベント発症リスクが中等度から重度の非弁膜症性心房細動患者21,105例が登録されたという。投与期間は2.8年という長期の試験であった。
(画像はwikiメディアより引用)
60mg群、30mg群ともに優越性を示す
60mg群では、脳卒中及び全身性塞栓症の年間発現率は1.18%、ワルファリン群で1.50%であり、ワルファリンに対して非劣性が検証された。エドキサバン60mg群における重大な出血の年間発現率は2.75%、ワルファリン群で3.43%であり、ワルファリンと比較して重大な出血のリスクを20%低減させ、優越性が示されたという。
また、30mg群では、 脳卒中及び全身性塞栓症の年間発現率は1.61%、ワルファリン群で1.50%であり、非劣性が検証され、重大な出血の年間発現率は1.61%、ワルファリン群では3.43%であり、ワルファリンと比較して重大な出血リスクを53%低減させ、優越性が示されたとしている。したがって、同試験においてエドキサバンは、いずれの投与でもワルファリンに対して有効性で非劣性であった。重大な出血の発現における安全性において優越性を示したという。
重大な出血リスクを有意に低下
安全性に関しては、60mg用量調整群(30mg投与)及び30mg用量調整群(15mg投与)における脳卒中及び全身性塞栓症の年間発現率は2.32%及び3.14%、ワルファリン群でそれぞれ2.68%及び2.68%であった。さらに、重大な出血の年間発現率は3.05%及び1.50%、ワルファリン群でそれぞれ4.85%及び4.85%であり、ワルファリンと比較して重大な出血のリスクを統計学的に有意に低下させたとしている。(堤朝子)
▼外部リンク
第一三共株式会社 プレスリリース
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/
Edoxaban versus Warfarin in Patients with Atrial Fibrillation
http://www.nejm.org/