「学際的研究による顔認知メカニズム」総括シンポジウム開催
近年、顔認知機能の研究が、心理学、脳科学、基礎医学、臨床医学、工学、情報学など、幅広い分野にわたる研究として盛んに進められている。自閉症の子供や顔認知機能の発達障害における社会上の問題も重要視されるものとなってきている。
脳・神経系に関する基礎・臨床及び応用研究を推進し、その成果を社会に還元していくことを目的とした学術団体である日本神経科学学会が、筑波大学・文科省新学術領域「学際研究による顔認知メカニズムの解明」主催による『「顔認知」総括シンポジウム』の開催が決定したとして、参加を呼びかける告知を行っている。
テーマは「顔認知から顔科学に新展開に向けて―顔認知の障害に起因する社会性の障害の理解と支援」で、2013年12月5日の13:30~16:30(開場は13:00)、筑波大学 東京キャンパス文京校舎134教室を会場として開かれるという。
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新学術領域の特別講演と総合討論を予定
顔認知機能は、欧米諸国、とくに米国において研究者が急増しており、発表論文の数も年々増加している。なかでも、脳波や脳磁図、fMRI、近赤外線分光法などの手法を用いた顔認知の脳内メカニズムの解明などが盛んだ。
一方日本では、欧米に比べると顔認知機能の研究は、現在質量ともに劣っている状況にある。しかし、若手研究者の数は増えつつあり、学際的な研究分野の研究者が集結し、新たな学術領域を開拓して、これまでにない知見の獲得が目指されるべきとの機運が高まっている。
主催団体はそうした背景から結成された研究組織であり、今回の総括シンポジウムは、現在の研究の最前線と、今後の展望をつかむうえで、非常に示唆に富む内容となるとみられる。
当日は、「顔認知から顔科学の新展開に向けて」というテーマの中央大学山口真美氏による発表にはじまり、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の神尾陽子氏、東京大学先端科学技術研究センターの渡邊克巳氏、筑波大学システム情報系・サイバニクス研究センターの鈴木健嗣氏の3名による特別講演が行われる。さらにその後、総合討論の時間が設けられている。
参加は無料で定員は200名。事前登録は不要。(紫音 裕)
▼外部リンク
日本神経科学学会 総括シンポジウム案内
http://www.jnss.org/131115-02/
「顔認知」総括シンポジウム 公式サイト
http://www.social-face.org/