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京大 炎症応答を制御する新たな仕組みを解明

読了時間:約 1分3秒
2013年11月25日 PM12:09

ASC分子の活性化機構を解明

京都大学は、原英樹 医学研究科助教、土屋晃介 同助教、河村伊久雄 同准教授、光山正雄 同名誉教授(現 総合生存学館特定教授)らの研究グループが、炎症応答を制御する新たな仕組みを解明したと発表した。

(画像はプレスリリースより)

これは、自然免疫機構による生体の炎症応答に重要なインフラマソームを構成するASC分子の活性化機構を解明し、ASCの特定部位のリン酸化がインフラマソームの制御に必須であることを見い出したもの。この研究成果はアメリカの科学誌「Nature Immunology」オンライン版に公開された。

SykおよびJNKに依存してリン酸化

研究グループが各種シグナル阻害剤のインフラマソームへの影響を調べた結果、キナーゼであるSykおよびJNKが、NLRP3インフラマソームおよびAIM2インフラマソームを介したカスパーゼ-1活性化や、炎症性サイトカインの産生に関わることがわかったという。

また、これらのキナーゼがASCスペックの形成を制御することで、インフラマソームを介した炎症応答に寄与することが示唆されたため、機序の仕組みを解明したところ、インフラマソーム形成時にASCがSykおよびJNKに依存してリン酸化されることが明らかになったとしている。

キナーゼによるタンパク質のリン酸化反応は、化合物による抑制が比較的容易である。このことから、将来的には、ASCのリン酸化を特異的に阻害する化合物の探索、設計により、インフラマソームを介した炎症応答の制御、さらにインフラマソーム関連疾患の治療に応用することも期待できると考えられる。(小林 周)

▼外部リンク

京都大学 ニュースリリース
http://www.kyoto-u.ac.jp

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