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生理学研究所 自己免疫性辺縁系脳炎の病態を解明

読了時間:約 57秒
2013年11月22日 AM06:29

LGI1自己抗体が辺縁系脳炎を引き起こす可能性

大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 生理学研究所は11月13日、自己免疫性辺縁系脳炎の病態を解明し、てんかん関連分子LGI1に対する自己抗体がシナプス機能異常を引き起こし、辺縁系脳炎を惹起している可能性が極めて高いことを突き止めたと発表した。

(画像はプレスリリースより)

これは、同研究所の深田正紀教授、深田優子准教授、大川都史香院生らの研究グループと、鹿児島大学医学部の髙嶋博教授、渡邊修講師、北海道大学医学部の渡辺雅彦教授らとの共同研究によるもの。研究成果はアメリカの神経科学誌「Journal of Neuroscience」に掲載された。

自己免疫性神経疾患患者の血清を解析

共同研究グループは、国内の自己免疫性神経疾患患者の血清を網羅的に解析し、LGI1自己抗体を単独かつ高い値で有するほぼ全ての患者が辺縁系脳炎と診断されていたことを見出した。また、LGI1自己抗体がLGI1とその受容体であるADAM22との結合を阻害することにより、脳内の興奮性シナプス伝達の大部分を担うAMPA受容体機能を低下させることを突き止めたという。

これらの結果、LGI1自己抗体によるAMPA受容体機能制御の破綻は、辺縁系脳炎の記憶障害やてんかん症状を引き起こすと考えられるとしている。(小林 周)

▼外部リンク

大学共同利用機関法人自然科学研究機構生理学研究所 プレスリリース
http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2013/11/-lg

 

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