政府の行政改革推進会議は13~15日の3日間、各府省の事業を再点検する「行政事業レビュー」を行った。民主党政権が実施した「事業仕分け」と同様に、有識者が関係府省の担当者と公開で議論しながら評価する手法を用いた「安倍政権版事業仕分け」で、15日には、後発品の使用促進や市販品類似薬の自己負担などについて議論。有識者は、後発品の数量シェアを2018年度までに60%以上にするという新たな目標について、達成時期の前倒しを要望。医療費の国民負担を軽減するため、先発品と後発品の薬価を引き下げることも求めた。評価結果について、政府は2014年度予算編成に反映させるとしている。
後発品使用促進事業の取りまとめでは、厚生労働省がロードマップで定めた新たな目標値の引き上げや達成時期の前倒しを行い、先発品の薬価引き下げを進めるべきとした。
また、先発品と後発品の競争を促しつつ、双方の薬価を下げると共に、価格差を縮小させることを通じて、医療費の国民負担を下げることを最重要課題として取り組む必要性を強調し、「こうした観点から、後発品の数量シェアの引き上げ目標を設定するべきではないか」とした。
行政改革推進会議が示した論点では、抜本的な後発品使用促進の例として、▽先発品と後発品の薬価の差額の一部を患者が自己負担▽先発品を処方した場合に診療報酬を減額▽特許が切れた段階で先発品を保険の対象外▽先発品の薬価引き下げ――が挙がった。
有識者は、まず、後発品の薬価を先発品の薬価の50%にすると共に、先発品の薬価を20%だけ下げて30%の価格差を作る一方、2年後の薬価改定時に先発品の薬価は、実勢価格ベースで下がった後発品の薬価より10%高い薬価にすることを提案。
これに対して厚労省は、「先発品と後発品の薬価にどれくらいの差があったら患者が後発品を選ぶのかについては、議論が必要。そんな大幅には減らせない」とした。
市販品類似薬については、「公的医療保険の対象外とする等により、患者負担とする取り組みを進めていくべき」とまとめた。
有識者からは、「できるだけ患者の自己負担にして、より重い疾患の患者に多くの給付が回るようなメリハリが必要」との意見が出た。