医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 生理学研究所 脳と脊髄の神経のつながり強化に成功

生理学研究所 脳と脊髄の神経のつながり強化に成功

読了時間:約 1分8秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年11月18日 PM04:45

神経接続により、つながり強化

大学共同利用機関法人自然科学研究機構生理学研究所ならびに独立行政法人科学技術振興機構は11月8日、大脳皮質と脊髄とのつながりを人工的に強化することに成功したことを発表した。この研究成果は、生理学研究所の西村幸男准教授とアメリカ・ワシントン大学の研究グループによるもので、神経科学専門誌「NEURON」(2013年11月7日オンライン版)に掲載された。

(画像はプレスリリースより)

研究チームは、4×5cmの神経接続装置を介することで、自由に行動するサルの大脳皮質の神経細胞と脊髄とを人工的に神経接続した。神経接続装置は、大脳皮質の神経活動を記録するとともに電気刺激に変換し、0.0015秒遅れのタイミングで脊髄に伝えるもの。翌日のサルの大脳皮質と脊髄間のつながり(シナプス結合)の強さは、人工接続前と比較して強化されていることが示されたという。

さらに、大脳皮質と脊髄のつながりの強さには刺激のタイミングが重要で、0.012~0.025秒の間では強化され、0.050秒以上では効果が現れないことも見いだされた。また刺激のタイミングを短くするとつながりが大変弱くなることもわかったとしている。

リハビリなどに役立つ可能性

プレスリリースには

「この技術は在宅で利用可能な脊髄損傷や脳梗塞後の運動・感覚機能の機能再建・リハビリテーションに役立つことが期待されます。シナプス結合は学習や記憶を司り、脳・脊髄の至る所にあります。この技術は学習能力や記憶を強化することにも応用可能かもしれません。」(生理学研究所 プレスリリースより引用)

と、西村准教授の言葉が掲載されている。(小林 周)

▼外部リンク

大学共同利用機関法人自然科学研究機構生理学研究所 プレスリリース
http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2013/11/pos

このエントリーをはてなブックマークに追加
TimeLine: ,
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 加齢による認知機能低下、ミノサイクリンで予防の可能性-都医学研ほか
  • EBV感染、CAEBV対象ルキソリチニブの医師主導治験で22%完全奏効-科学大ほか
  • 若年層のHTLV-1性感染症例、短い潜伏期間で眼疾患発症-科学大ほか
  • ロボット手術による直腸がん手術、射精・性交機能に対し有益と判明-横浜市大
  • 前立腺がん、治療決定時SDMが患者の治療後「後悔」低減に関連-北大