世界における結核の実情
結核は、3大感染症のひとつであり、年間860万人の発症が認められ、その中で130万人が命を落とす、重病である。中でもアジア、アフリカ圏での感染が拡大しており、日本でも毎年2000人規模で死亡者を出している。
大手製薬会社がこうした結核に対応するワクチンをこれまでも開発してきたものの、成人の肺結核患者への効果は確証たるエビデンスもなく、より臨床応用に最適な新規ワクチンの開発が望まれているのが現状だ。
(画像はwikiメディアより引用)
三者合意の新規ワクチンの開発へ
今回、合同で新規結核ワクチンの開発に乗り出そうと動いたのは、独立行政法人医薬基盤研究所、米国のNPO法人Aeras、株式会社クリエイトワクチンの三者。
11月8日、基本合意に達し、12月までに共同開発契約を締結する予定だという。なお、クリエイトワクチンは、大日本住友製薬株式会社と日本ビーシージー製造株式会社が、新規結核ワクチンの事業化を進めるために設立した合弁会社である。
今回合意した基盤研が持つ技術として、ヒトパラインフルエンザ2型ウイルスベクター技術を臨床応用した粘膜ワクチンがある。これを用いて新規ワクチンの開発が成功すれば、成人の肺結核へのアプローチが応用可能となり、世界初の結核ワクチンとして脚光を浴びることになるだろう。
こうした次世代の結核ワクチンが開発されることで、結核への免疫の増強に役立つほか、結核の予防に多大なる貢献をすることが期待されている。(dirie)
▼外部リンク
新規結核ワクチンの共同開発に向けた基本合意のお知らせ
http://www.ds-pharma.co.jp/news/