「Journal of Clinical Virology」オンライン版に掲載
東北大学大学院医学系研究科感染病態学分野および東北大学災害科学国際研究所の服部俊夫教授らのグループは、サンラザロ病院、香川大学、ハワイ大学、長崎大学との共同研究において、デング熱感染症の新規病態マーカーを発見したと発表した。
(画像はWikiメディアより引用)
毎年一億人が感染するデング熱感染症
デングウイルス感染症は蚊が媒介する感染症で、患者は、発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、はしかに似た皮膚発疹を含む症状を示す。世界の公衆衛生上の大きな問題となっており、東南アジアでは多数の日本人も感染している。
血漿ガレクチン9値がデング熱・デング出血熱患者の重症度を反映
これまでも急性デングウイルス感染症の病態は、可溶性炎症因子によると推測されていた。そこ研究グループは、2010年にフィリピンで発症したデングウイルス感染者65名の血漿中のガレクチン9(水溶性のβ-ガラクトシド結合レクチン)と、29種類のサイトカイン・ケモカインを測定した。
その結果、急性期におけるデング出血熱患者やデング熱患者のガレクチン9値は、非デング熱性疾患の患者や健康な人に比べ明らかな上昇を示し、回復期ではガレクチン9のレベルが迅速に減少したという。
これらの結果から、デングウイルス感染症では血漿ガレクチン9がバイオマーカーであり、病態の悪化指標と相関することが明らかになったとしている。(鈴木ミホ)
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東北大学 プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp