「断酒」ではなく「減酒」という新しい治療コンセプト
大塚製薬株式会社は10月31日、デンマーク・コペンハーゲンに本社を置くH.ルンドベック A/S(以下、ルンドベック社)と減酒薬「nalmefene(一般名)」の日本における共同開発・商業化について合意したことを発表した。
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nalmefeneは減酒を目的とした頓服薬で、飲酒要求時に服用する。中枢神経系に広く存在するオピオイド受容体を拮抗し飲酒欲求を抑制するもので、ルンドベック社が開発を進めてきた。ヨーロッパでは2013年4月から「Selincro(R)」の製品名で販売されている。
アルコール依存症の主な治療は入院や抗酒薬を用いた「断酒」だが、その治療ゴールの高さが障壁となり、継続が困難な場合が多い。「減酒」という新しいコンセプトを持つ「nalmefene」は、社会復帰を目指す患者にとっても継続可能な新たな治療の選択肢として期待できるとしている。
大塚製薬は、ルンドベック社に対し契約一時金として50,000,000ユーロ、開発・承認ならびに売上達成金で最大100,000,000ユーロを支払う。ルンドベック社は日本での開発費を負担し、共同販促の権利を有するという。
協力体制はさらに強固に
大塚製薬とルンドベック社は2011年11月に「エビリファイ メンテナ」、「ブレクスピプラゾール」、「Lu AE58054」を含む3つの化合物の共同開発・共同販売を行う契約を締結。
ニュースリリースでは
今回の合意に至ったことで、大塚製薬とルンドベック社の協力体制はますます強固なものとなります。両社は今後も世界の中枢神経領域の治療発展を重視してまいります。(大塚製薬株式会社 ニュースリリースより引用)
とされている。(小林 周)
▼外部リンク
大塚製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.otsuka.co.jp/company/release/2013/1031_01.htm