不可逆的ErbBファミリー阻害薬アファチニブ
ベーリンガーインゲルハイムは、不可逆的ErbBファミリー阻害薬アファチニブが管理可能な安全性プロファイルを有すること、また、EGFR遺伝子変異を有するアジア人および非アジア人の非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対するファーストライン治療に適していることを再確認したと発表した。
アジア人と非アジア人を対象に行った臨床実験の解析結果から、このアファチニブが薬物動態に関して、アジア人、非アジア人の2つの患者集団において差がないことが確認された。また、遺伝子変異に特化して起きる有害な現象を予測できること、そして投薬上管理可能なものであることの有効性を報告している。
こうした結果から、EGFR遺伝子変異を有している肺がん患者に、アファチニブが有益な治療選択肢となりうることを示唆した。
(画像はwikiメディアより引用)
アジアにおける肺がんの死亡率
アジアにおいては、がん患者の14%が肺がん患者である。そのうえ、肺がんによる死亡率は、全体の18%にものぼる。特に、中国では年間を通して50万人以上に新たな発症が認められ、次いで日本が年間86,000人超、台湾が年間9,000人超という、東アジアを中心とした罹患数は年々増えているのが現状だ。
肺がんは予後が良好でない場合が多く、一刻も早い治療を迫られる。今回の臨床結果による報告を受け、アファチニブのエビデンスがより強固なものとなり、肺がん治療への新たな選択肢の幅を広げたことになる。(dirie)
▼外部リンク
Boehringer Ingelheim GmbH プレスリリース
http://www.boehringer-ingelheim.com/news/