希少疾患ベーチェット病
セルジーン・インターナショナルは、経口ホスホジエステラーゼ4(PDE4)標的阻害剤アプレミラストのベーチェット病患者における第2相臨床試験(BCT-001)の結果を発表した。ベーチェット病は希少な慢性炎症性疾患で、口腔・陰部潰瘍、皮膚・眼病変、関節炎が繰り返し起こる。炎症により、脳や消化管も影響を受けることもある。
BCT-001試験はベーチェット病患者を対象として2投与群(アプレミラスト30 mg 1日2回投与(BID)、プラセボ)で実施した多施設無作為化プラセボ対照ニ重盲検平行群間比較試験であった。無作為化前期間(90日)、治療期間(12週)、延長期間(12週)、治療後経過観察期間(4週)で構成され、活動性ベーチェット病の患者計111例をアプレミラスト30 mg BID、又はプラセボに1対1の比率で無作為に割り付けた。
(画像はwikiメディアより引用)
良好な奏効率
試験の結果、アプレミラスト投与を受けた患者は、12週目にプラセボ群と比べて有意に高い割合で完全奏功(活動性口腔潰瘍の消失)を達成した(アプレミラスト、71%;プラセボ、29%)。ベースライン時に陰部潰瘍があった患者(16例)については、アプレミラスト投与群で12週目の完全奏功率が100%だったのに対し、プラセボ投与群では50%であったという。
また、12週目には、ベーチェット病活動性評価フォーム(BDCAF)、ベーチェット症候群活動性スコア(BSAS)、ベーチェット病の生活の質(QoL)尺度を含め、患者の自己申告による複数の転帰スコアもアプレミラストによって改善し、口腔潰瘍による痛みの改善も、アプレミラスト群がプラセボ群に比べて有意に高かったとしている。
安全性
有害事象とその程度については、アプレミラストの既知の安全性プロファイルと同程度であった。BCT-001試験では、重症・重篤な有害事象(SAEs)及び有害事象による投薬中止を含め、治療中に発現した有害事象(TEAE)は、アプレミラスト30mgBID投与群とプラセボ群で同程度で、アプレミラスト30mg BID投与群で最も頻度の高かった5つのTEAEのうち、頭痛及びベーチェット症候群にみられる炎症はプラセボ群と同程度であった。一方、悪心、下痢、嘔吐はアプレミラスト30mg BID投与群の方が高かったという。
同社は現在、アプレミラストについて、ベーチェット病を適応症とした承認申請を多くの国で行えるよう、機会を模索中だとしている。(堤朝子)
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