厚生労働省は7日、新たな一般薬のインターネット販売ルールなどを盛り込んだ「薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律案」を自民党の厚生労働部会と薬事に関する小委員会の合同会議に提示した。
法案では、一般薬の99・8%の品目のネット販売を解禁する一方で、安全性に懸念がある品目の販売に規制をかけると共に、リスクが高いとされる第1類の販売ルールをこれまで以上に厳格化する。
劇薬指定品目はネット販売を禁止。医療用から一般用に転用して間もないスイッチ直後品目については、薬剤師の対面による情報提供や薬学的知見に基づく指導を必要とする「要指導医薬品」の区分を新たに新設する。
要指導医薬品は、3年程度かかる市販後の安全性評価を終えるまではネット販売を禁止する。薬剤師が対面で販売する際は、使用者の年齢や他の医薬品の使用状況の確認を義務づけるほか、十分な情報提供や指導が行えないなど適正使用が確保できない場合は販売してはならないことを規定するなど、医療用に準じた形での慎重な販売や使用を促すための仕組みを設ける。
第1類の販売に当たっては、対面でも年齢や医薬品の使用状況確認などを義務づける。また、情報提供義務の免除規定を見直し、薬剤師が「説明不要」と判断しない限り、使用者の情報収集や説明を行うようにする。
医療用医薬品のネット販売の禁止も法案で明確化した。要指導医薬品について、対面での販売を義務づけたことに合わせ、「人体に対する作用が著しく、重篤な副作用が生じる恐れがあることから、医療従事者の関与のもとで慎重に販売するための仕組みを設ける」とした。
法案には、「指定薬物」の乱用を防止するための規定も盛り込んだ。現行の薬事法では、輸入、製造、販売、授与、販売目的の貯蔵等を禁止しているが、新たに所持、購入、譲り受けも禁止する。
指定薬物を医療や研究目的以外で所持したり、他人から譲り受けた場合、3年以下の懲役か300万円以下の罰金を科す。