アプレミラストを対象とした第3相試験の結果
セルジーン・コーポレーションの子会社セルジーン・インターナショナルは、アプレミラストを対象とした長期(期間52週間)第3相試験3試験の結果を発表した。アプレミラストは乾癬性関節炎に対する経口ホスホジエステラーゼ4(PDE4)標的阻害剤である。
今回は、活動性乾癬性関節炎患者で、従来のDMARD又は生物製剤による治療経験者を対象に、3件のピボタル試験(PALACE 1、2、3)を実施し、そのうち2試験(PALACE 2とPALACE 3)から得られた長期結果を報告した。
(画像はwikiメディアより引用)
ACR20反応良好
これらの試験は、多施設ニ重盲検プラセボ対照平行群間比較ピボタル第3相試験で、2つの積極的治療群を有する。PALACE 1、2及び3では、被験者を実薬2群とプラセボ群に1:1:1の比率で無作為割付けして24週間投与。その後は最大52週間の積極治療段階に続き、長期安全性試験段階で患者全員がアプレミラストによる治療を受けたという。
PALACE 2とPALACE 3のいずれでも、プラセボ投与群と比較して、アプレミラスト20mg又は30mgの1日2回投与群の方が、主要評価項目であるACR 20(変法)反応を達成した患者の割合が有意に高かった。PALACE 2でプラセボ群:20%、アプレミラスト20mg 1日2回投与群:38%、P=0.0002、アプレミラスト30mg 1日2回投与群:34%、P=0.0024となり、PALACE 3でプラセボ群:19%、アプレミラスト20mg 1日2回投与群:29%、P<0.05、アプレミラスト30mg 1日2回投与群:43%、P<0.0001となった。
安全性について
PALACE 1、2及び3試験(参加患者数1,493例)の統合解析から得られた長期(52週間)安全性の結果を、報告済みの24週間安全性の結果と比較し、アプレミラストによる治療を最大52週間受けた乾癬性関節炎患者において、新たな安全性の問題はみられなかったとしている。
また、有害事象の程度はほとんどが軽度ないし中等度で、中止例はなかった。最も頻度の高かった有害事象として報告されたものは悪心、下痢、頭痛、上気道感染、鼻咽頭炎であり、悪心と下痢の程度は大部分が軽度で、治療開始から最初の2週間で最も多く発生し、治療を継続しても多くの場合は1ヵ月以内に解消したと報告された。(堤朝子)
▼外部リンク
セルジーン・インターナショナル プレスリリース
http://newsroom.celgene.com/press-release/