医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 位相差電子顕微鏡により、ウイルス感染生活史の全容を解明

位相差電子顕微鏡により、ウイルス感染生活史の全容を解明

読了時間:約 1分2秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年11月06日 PM09:09

共同研究により大きな成果

自然科学研究機構 生理学研究所は、米ベイラー医科大のグループ等による位相差電子顕微鏡を用いた共同研究により、ウイルスの感染生活史の全容が解明されたと発表した。

(画像はプレスリリースより)

今後の感染対策研究にも期待

今回の研究では、地球上炭酸ガス固定の主役シアノバクテリア中での、ウイルスの立体構造形成の解明がなされた。まず、感染初期にはウイルスの外殻ができる。次に、DNAゲノムがその中に封入される。最後に、角や尾が出来る。この一連の形作りの過程がわかった。この研究と同じことがヒト細胞で可能となれば、今後のウイルス感染対策の前進がおおいに期待される。また、CO2問題の対策にも期待がもてるとしている。

位相差電子顕微鏡のもつ有用性

電子顕微鏡は近年進歩を続けてきたが、像のコントラストが弱く、微小形態の特定が困難であるなど問題もあった。今回の研究では、生理研・永山教授のグループによる位相差電子顕微鏡が有効であった。位相差法の心臓部である薄い炭素膜でできた位相板の帯電防止法を用いた電子顕微鏡である。今回の研究結果を出したことによって、この位相差電子顕微鏡が医学生物学研究にとって非常に重要であるということを示すこととなった。生理学研究所の永山教授は

「今回の研究で、10年来地道に続けてきた位相差電子顕微鏡の開発研究が医学、生物学分野で正しく評価されることを期待している」(ニュースリリースより引用)

と語っている。(たなか牡丹)

▼外部リンク

自然科学研究機構 生理学研究所 プレスリリース
http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2013/10/post-258.html

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 【インフル流行レベルマップ第50週】定点当たり報告数19.06、前週比+9-感染研
  • 胃がんの化学療法、個人ごとの効果予測が可能なAI開発に成功-理研ほか
  • 「社会的孤独」による動脈硬化と脂質代謝異常、オキシトシンで抑制の可能性-慶大ほか
  • 胎児期の水銀ばく露と子の神経発達に明らかな関連なし、エコチル調査で-熊本大ほか
  • 血液中アンフィレグリンが心房細動の機能的バイオマーカーとなる可能性-神戸大ほか