■一般用医薬品が二桁増
厚生労働省は1日、2012年「薬事工業生産動態統計年報」を公表した。医薬品の生産金額は、6兆9767億円と前年比0・2%の微減となった。薬価改定年だったこともあり、全体の約9割を占める医療用医薬品の生産金額は1・3%減少したものの、一般用医薬品とその他の医薬品が二桁の伸びを示し、全体では微減にとどまった。
医薬品の生産金額を用途別に見ると、医療用医薬品は、薬価改定の影響を受け、1・3%減の6兆2630億円、その他の医薬品は11・0%増の7137億円、一般用医薬品も11・6%増の6890億円と、2%台と伸び率が低かった前年に比べて大幅に増加した。
薬効群別の生産金額は、依然として循環器官用薬が1兆2970億円と最も多かった。前年比で3・8%減少したものの、総生産金額の18・6%を占めた。その内訳を見ると血圧降下剤が48・4%と最大で、次いで高脂血症用剤、血管拡張剤の順となった。
中枢神経系用薬は0・1%減の8486億円、その他の代謝性医薬品は5・1%減の6451億円と生産額が落ち込んだが、消化器官用薬は0・4%増の5724億円となり、そのうち消化性潰瘍用剤が60・7%を占めた。
一方、医薬品の輸出入の状況を見ると、昨年の医薬品輸出金額は0・6%減の1376億円となった。アジア向け輸出額は644億円と、過去5年で最大となった一方、北米向け輸出額は514億円と、過去5年で最小だった。
医薬品の輸入金額は11・3%増の2兆8174億円となった。輸入金額は年々増加しており、過去5年で最高となった。輸入金額が多い国は、スイス、米国、ドイツの順だった。