エイジング協会発行の論文AGEに採択
東北大学は10月23日、4週間のサーキット運動トレーニングが高齢者の認知機能を改善することを発見したと発表した。
(画像はプレスリリースより)
これは、同大学加齢医学研究所スマート・エイジング国際共同研究センターの野内類助教、川島隆太教授らの研究グループによるもの。研究成果は、短期間でも広範囲な認知機能を改善することを見いだした点、高齢者を対象とした無作為比較対照試験である点が画期的なものとされ、アメリカ・エイジング協会発行の論文AGEに採択された。
サーキット運動トレーニングとは
近年の健康ブームから取り組む高齢者が増えているという「サーキット運動トレーニング」は、運動する複数の人たちで輪(サーキット)になり、有酸素運動トレーニングと筋力トレーニングとを交互に組み合わせて行うというもの。先行研究では、このトレーニングを42週継続することで記憶力を向上するという報告があるが、もっと短期間でも認知機能が向上するのか、記憶力以外の認知機能も向上するのか、という点を明らかにするため、今回の研究は行われた。
予防やリハビリへの応用に期待
研究グループは、研究参加者の半数の32名についてサーキット運動トレーニングを実施する「介入群」、残りの半数についてサーキット運動トレーニングを実施しない「非介入群」とし、トレーニング開始前・終了後にそれぞれに対して認知機能検査を実施。
認知機能の変化を計測した結果、介入群が非介入群よりも、実行機能(ストループ検査、カテゴリー流暢性検査)、エピソード記憶(物語記憶検査)、処理速度(符号検査、記号検査)で改善することが認められたという。
プレスリリースでは
と述べられている。(小林 周)
▼外部リンク
東北大学 プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohoku