現在発売準備中の緑内障・高眼圧症治療剤
日本アルコン株式会社は、同社が現在発売に向け準備を進めている「アゾルガ(R)配合懸濁性点眼液」について製品情報を公開した。同剤は、厚生労働省の8月22日開催、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会において、承認了承されている。現在は薬価未収載の段階だ。
「アゾルガ配合懸濁性点眼液」は、炭酸脱水酵素阻害剤およびβ遮断薬配合の緑内障・高眼圧症治療剤で、一般名はブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液。緑内障、高眼圧症で、他の緑内障治療薬による治療効果が不十分な場合を効能・効果とする新配合剤である。
承認時の再審査期間は6年とされている。海外では111カ国ですでに承認済みだ。
(画像はwikiメディアより引用 参考イメージ)
配合剤で患者のQOL向上に寄与
1回1滴、1日2回点眼するタイプの薬剤で、ブリンゾラミドはヒトの眼に存在する複数の炭酸脱水酵素アイソザイムのうち、もっとも活性の高いCA-IIを選択的に阻害する。それによってNa+および水の後房への輸送を抑えることで、房水の分泌を抑制し、眼圧を下げる効果を発揮する。単独での眼圧降下作用はさほど強くないため、他の点眼薬と併用されることが多い。
チモロールマレイン酸塩はβ受容体遮断作用をもつほか、主に房水産生を抑制することによるとみられる眼圧降下作用がサルにおける動物実験で示唆されている。
点眼液の種類が増えると点眼アドヒアランスは下がる傾向にある。配合点眼液により1剤での投与となれば、患者の負担軽減、QOL向上につながることが期待される。(紫音 裕)
▼外部リンク
日本アルコン株式会社 アゾルガ配合懸濁性点眼液
http://www.alcon.co.jp/hcp/pharmaceutical/product/azorga.html