新たなアプローチの過活動膀胱治療薬
キッセイ薬品工業株式会社と杏林製薬株式会社は、過活動膀胱治療薬「KEA-0447/KRP-EPA605」の第1相臨床試験を開始すると発表した。杏林製薬はキョーリン製薬ホールディングス株式会社の子会社で、両社は共同開発契約を締結し、共同開発を進めてきた。
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この過活動膀胱治療薬は、キッセイ薬品と杏林製薬の共同研究により見出された新規の選択的プロスタグランジンEP1受容体拮抗剤。膀胱の排尿筋過活動を抑制し、頻尿を改善するという。抗コリン薬やβ3作動薬といった既存の治療薬とは異なる作用機序を持ち、新たなアプローチの過活動膀胱治療薬として患者のQOLを高めるものと期待されるとしている。
プロスタグランジンEP1受容体はプロスタグランジンE2の受容体で、主に平滑筋収縮などに作用する。プロスタグランジンE2は膀胱平滑筋においても産生され、膀胱平滑筋に存在するプロスタグランジンEP1受容体を介した異常収縮に関与していると考えられている。
2009年に共同研究契約を締結
両社において泌尿器科領域は研究開発における重点領域であり、提携することでそれぞれの強みやノウハウを活かし、新規化合物を効率的・スピーディに研究開発できるという判断から2009年に共同研究契約を締結した。
その後両社は2012年に共同開発契約を締結、今回の過活動膀胱治療薬の第1相臨床試験開始に至った。今後も両社は協働して、同剤の早期承認取得を目指していくとしている。(小林 周)
▼外部リンク
キッセイ薬品工業株式会社 ニュースリリース
http://www.kissei.co.jp/news/l3/Vcms3_00000724.html
キョーリン製薬ホールディングス株式会社 ニュースリリース
http://www.kyorin-gr.co.jp/news/docs/KRPEPA605.pdf