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東北大 肺胞蛋白症発症の一端を解明

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2013年10月23日 PM10:18

遺伝子発現システムを発見

東北大学は10月15日、肺の恒常性維持に必須の遺伝子発現システムを発見し、その異常が肺胞蛋白症の発症に関わることを見いだしたと発表した。

(この画像はイメージです)

この研究は、同大学大学院医学系研究科・細胞生物学講座生物化学分野の五十嵐和彦教授と内科病態学講座呼吸器病態学分野の貫和敏博名誉教授の共同グループによるもの。研究成果はアメリカの医学専門誌「Journal of Experimental Medicine」オンライン版に掲載されている。

未解明だった肺胞蛋白症の発症機構

人を含む多くの生物において、肺から空気中の酸素を取り込む機能を支えているのが、肺に存在する肺胞サーファクタントという物質だ。しかし、この肺胞サーファクタントが過剰に溜まると、呼吸困難などを症状とする肺胞蛋白症という病気になる。肺胞サーファクタントは、肺胞の腔内に存在する貧食細胞(肺胞マクロファージ)が分解することで適量になるよう調節されているため、この病気は、主に肺胞マクロファージの異常により発症すると考えられているが、その発症機構には多くの謎が残っていた。

転写因子Bach2が関わる

転写因子Bach2は、免疫において必須の役割を有することが知られているが、今回、研究グループがBach2の遺伝子を欠損するマウスを作成したところ、正常に生まれ成長するものの徐々に肺胞蛋白症を発症し、1年程度で死亡してしまうことが判明した。

さらにBach2が欠損した肺胞マクロファージでは、肺胞サーファクタントの成分である脂質の処理が特異的に低下していることが明らかになったという。

このことから、Bach2が制御する遺伝子群の発現が乱れることで肺胞蛋白症が発症すると考えられる。ニュースリリースは

今回の発見は、肺胞マクロファージで働く遺伝子ネットワークの制御因子を見つけたものです。これにより、肺胞蛋白症の病因解明や新たな治療方法の開発が進むことが期待されます。(東北大学 ニュースリリースより引用)

としている。(小林 周)

▼外部リンク

東北大学 ニュースリリース
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2013/10/press20131011-01

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