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大塚製薬 共同開発中のアルツハイマー病治療薬の第III相試験を開始

読了時間:約 1分16秒
2013年10月22日 AM10:10

ルンドベック社との共同開発

大塚製薬株式会社は、デンマークのルンドベック社と共同開発中の新規アルツハイマー病治療薬Lu AE58054の臨床第III相試験のうち、最初のグローバル試験を開始したと、10月10日発表した。Lu AE58054は、大塚製薬とルンドベック社との3つ目の国際共同開発品目である。

(画像はプレスリリースより)

GABA神経に作用、アセチルコリン放出を促進

開発中の化合物Lu AE58054は、既存のアルツハイマー病治療薬とは異なる作用機序を持つ世界初でファーストインクラスとなる選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗剤。アセチルコリン神経のさらに上流であるGABA神経に作用し、神経終末からのアセチルコリン(ACh)の放出を促進させるという。従来の標準薬であるドネペジル等のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、神経終末から放出されたAChの分解を抑制し、ACh神経伝達を増強するが、同薬を併用することで神経終末からのACh放出も増加し、いっそうACh神経伝達が増強されるとしている。

ドネペジル併用での効果を検証

今回開始される臨床試験では、ドネペジル服用患者へLu AE58054を併用し、軽症から中等度アルツハイマー病を対象に、ADAS-Cogスコアにおいてプラセボ併用群と有為な差を示し、その認知症機能改善効果を確認することを目的とする。順次開始する複数の臨床第III相試験では、アルツハイマー病を対象に、17ヵ国約3,000人の登録を予定している。

認知症患者は全世界で3,600万人、2010年の疾病費用は6,040億米ドル(約60兆円、1ドル100円換算)と推定される。認知症の60〜80%がアルツハイマー病であり、今後高齢者人口の増加に伴い、その患者数は20年で2倍になるとされている。社会的にも負担の大きいアルツハイマー病の、よりよい治療が望まれている中、Lu AE58054が早期に選択肢として加わることが強く期待される。(長澤 直)

▼外部リンク

大塚製薬株式会社 プレスリリース
http://www.otsuka.co.jp/

 

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