点眼用リパスジル塩酸塩
興和株式会社は、Rhoキナーゼ阻害剤「K-115」(一般名:リパスジル塩酸塩水和物、剤形:点眼液)を、緑内障・高眼圧症を適応症として、10月10日、厚生労働省に製造販売承認を申請したと発表した。
(画像はwikiメディアより引用)
世界初のRhoキナーゼ阻害剤による眼圧下降薬
K-115は、新しい作用機序を持つ眼圧下降剤で、細胞応答の制御機構に関与するRhoキナーゼ(ROCK:Rho-associated coiled-coil containing protein kinase)を阻害し、線維柱帯−シュレム管を介する主流出路からの房水流出を促進して眼圧を下降させる。国内で実施した原発開放隅角緑内障及び高眼圧症の患者を対象とした臨床試験において、同剤は単独での使用、及び既存の緑内障・高眼圧症治療薬との併用使用のいずれの場合でも、眼圧下降効果を示すことが確認されているという。
40歳以上の5%が緑内障
国内の中途失明原因の第一位である緑内障は、2000年から2002年に行われた疫学調査によると成人(40歳以上)の有病率が5.0%であり、その約8割(3.9%)は広義の原発開放隅角緑内障であるといわれている。現在、緑内障の唯一確実な治療は眼圧を下げることであり、プロスタグランジンF2α誘導体等の薬物治療が第一選択とされている。
興和では、生活習慣病や免疫・炎症領域、感覚器領域について重点的に研究開発を行っており、画期的新薬の開発につとめ、アンメットメディカルニーズに応えることを目指すとしている。同剤が、早期に緑内障治療への新しい選択肢として提供されることが期待される。(長澤 直)
▼外部リンク
興和株式会社 プレスリリース
http://www.kowa.co.jp/