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キリン 東大と共同で細胞内温度計測技術を開発

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2013年10月21日 PM07:15

世界初、細胞内温度測定用蛍光プローブ

キリン株式会社は、同社の基盤技術研究所と東京大学大学院薬学系研究科との共同研究で、細胞内温度測定用の蛍光プローブを開発、酵母やほ乳類細胞の正確な細胞内温度の計測を実現したと、10月11日発表した。酵母の細胞内温度の計測は世界初となる。

(画像はwikiメディアより引用)

発酵における酵母細胞の温度が重要

細胞内温度の測定は、酒類などの発酵品の製造工程での温度調節において重要であることから、キリンが着手。東京大学では、以前より蛍光プローブを用いた細胞内の温度分布測定の技術を持っていたが、微生物などの小さい細胞には非常に利用しにくいという課題があった。

0.09℃の温度差を検知、細胞内への導入も容易

今回の成果では、蛍光プローブの構造に、細胞内へ取り込まれやすいプラス電荷を持つ分子を組み込み、蛍光プローブを細胞懸濁液中に混ぜるだけで出芽酵母の細胞に導入できるようにしたという。細胞内に取り込まれた蛍光プローブは細胞の温度変化に応答し、最高で0.09℃の微小な温度差を検出できる。酵母細胞だけでなく、ほ乳類の細胞にも適用できる高い汎用性があるとしている。

がん細胞は高温?今後に期待

細胞内の温度変化は、がん細胞で高温になっているとの指摘もあり、注目が集まっている。キリンでは発酵時の酵母の細胞内温度変化を調べ、発酵過程についてのさらなる知見を得、発酵品の生産に活かすとしているが、同時にこの技術によって細胞の機能と温度の関係が簡便にわかることから、今後の医学・生物学分野への応用も期待される。(長澤 直)

▼外部リンク

キリン株式会社 プレスリリース
http://group.kirin.co.jp/

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