ノロウイルスGII4型
武田薬品工業株式会社は、米国感染症学会週間のセッションにて、現在開発中のノロウイルスワクチン(筋肉注射、GI/GII の2価ワクチン)の第1/2相試験の結果を発表したことを報告した。同試験は、胃腸炎の原因となる遺伝子型(GII.4型)のノロウイルスを試験服用する方法で、18歳から50歳の健康成人98例を対象に行われたもの。
報告によると、ノロウイルスワクチン2回投与の忍容性は良好であり、ノロウイルスワクチンがノロウイルス感染症状の発現及び重症化の予防に好影響を与えることが示唆され、排泄物中のノロウイルス量の減少もみられたという。
(画像はwikiメディアより)
主要評価項目の有意差はみられず
同試験では、ノロウイルスワクチン接種群はプラセボ群と比較し、副次評価項目である、あらゆる重症度における嘔吐・下痢の発現について有意に減少した(重篤な嘔吐・下痢:ワクチン接種群:0名:0.0%、プラセボ群:4名:8.3% (p=0.054)、 中等度あるいは重篤な嘔吐・下痢:ワクチン接種群:6.0%、プラセボ群:18.8%(p=0.068))。
また、ノロウイルスワクチン接種群はプラセボ群と比較して、主要評価項目である胃腸症状の発現の減少を示したが、統計学的に有意な差ではなかったという。
ワクチンの副反応については、主に他のワクチンでもよくみられる軽度で短期的な局所注射部位疼痛がみられ、最も頻度の高い全身性反応は頭痛であったとのこと。(堤朝子)
▼外部リンク
武田薬品工業株式会社 ニュースリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2013/