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東京工科大学 アルツハイマー病へのチモキノンの効果を発見

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2013年10月18日 PM07:41

アミロイドβの毒性から神経細胞を保護

東京工科大学は、同大学応用生物学部の研究チームが、ニゲラサチバの種子油に含まれる「」にアルツハイマー病の原因であるアミロイドβの神経細胞毒性への保護作用があることを発見したと、10月10日発表した。

(画像はプレスリリースより)

注目されるチモキノン

ニゲラサチバ種子は中東地方で健康食として食されており、近年種子油はエイジングケアなどの化粧品にも使用されている。また、種子油に含まれる成分の一つであるチモキノンは、抗酸化作用やがん・糖尿病等への効果が報告されているという。

神経細胞と神経ネットワークを保護

今回の研究では、アルツハイマー病の最重要領域である海馬および大脳皮質の2次元回路モデルに、最も毒性の強いアミロイドβ1-42とチモキノンを同時に投与した。その結果、アミロイドβ1-32の単独投与群と比較して有意に細胞死が減少。活性酸素の発生量やミトコンドリア膜電位も減少し、細胞毒性そのものを抑制する効果がチモキノンにあることが示された。また、神経ネットワークの情報伝達の場であるシナプス機能や神経活動の低下も軽減されていたという。

脳回路モデルでの検証

研究では、同チームが開発した脳にかかわる疾患の解明や薬物の効果を調べるのに有効な、脳回路モデルの構築とその測定技術が用いられている。この技術は、一次元から生体環境を模倣する三次元脳回路モデルまでを自在に「創る技術」と、創った脳回路の電気的機能をチップ上で「測る技術」からなり、将来的には記憶等の高次機能へのアプローチも期待されている。

社会の高齢化に伴い、アルツハイマー病は深刻な社会問題となっている。アルツハイマー病に対する抜本的な予防法と治療法が求められている中、今回の研究成果は神経細胞そのものだけでなく、神経回路モデルを用いて脳内の情報伝達機能を視野にチモキノンの効果を検証している点が興味深い。研究グループは、今後、チモキノンの摂取が、アルツハイマー病の予防につながることが期待される、と述べている。(長澤 直)

▼外部リンク

東京工科大学 プレスリリース
http://www.teu.ac.jp/

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