小さなお子さんを持つお母さんやお父さんにとって、子供が病気にかかるのはとても大変なことです。これからの季節、風邪を引く子供も増えますし、インフルエンザやノロウィルスの流行もあります。子供を病院に連れて行って特に大変なのが、注射や点滴。病気そのものよりも、こういった痛みのある処置の方が、かわいそうになってしまうこともあるものですね。
(この画像はイメージです bplanet/FreeDigitalPhotos.net)
実は、今年になってカナダ・アルバータ大学の研究グループから寄せられた報告に、「音楽をかけることで、子供たちが治療中に感じる痛みを和らげることができる」というものがあるのです。これは、小児病院の救急外来を2009年1月から2010年3月の間に受診して、点滴が必要だとされた、3歳から11歳の42人の子供たちを対象とした調査です。
点滴をするときに、音楽を聴かせた子供と聞かせなかった子供の違いを比べました。すると、音楽を聴いた子供の訴える痛みは度合いが低く、痛みを訴える時間も短いことが分かりました。また、両親の満足度、実際に点滴の針を刺した医療者の満足度は、音楽を聴いた子供たちに対して高くなっていたのです。
このことから、調査チームでは、音楽を聴きながら治療を受けることで、子供たちが必要な治療を受けるときに感じる痛みや不快感を和らげることができると指摘しました。今後、音楽の他にも治療による苦痛を和らげることができる方法があるか、音楽は子供以外にも有効か、など色々な追跡研究が行われると予測されます。
うがい手洗いや、栄養の管理など病気の予防は子供たちの健康を守る上で不可欠なことです。加えて、お子さんの好きな音楽をいつでもかけられるように、携帯などに入れておくのもいいかもしれません。また、いざというときのために、必要な治療だけでなく、子供たちの感じる辛さを和らげるような環境を提供してくれる病院を、見つけておくことも大切ですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Music to Reduce Pain and Distress in the Pediatric Emergency Department
http://archpedi.jamanetwork.com/
Music decreases perceived pain for kids in pediatric ER: UAlberta medical research
http://www.med.ualberta.ca/news/2013/