バリアント社が承認取得
科研製薬株式会社は、同社が創製した新規トリアゾール系化合物エフィナコナゾール(一般名)が、カナダのバリアント社によってカナダ保健省より爪真菌症治療薬として承認を取得した、と10月4日発表した。
(画像はwikiメディアより引用)
世界初、外用のトリアゾール系治療薬
エフィナコナゾールは、科研製薬が創製した、トリアゾール系化合物では世界初の外用真菌症治療薬。血清および角質存在下でも、既存治療薬と比較して活性が低下しにくいとされる。そのため、角質が肥厚した部位や爪などにも優れた活性を示すことが期待されている。また、各種真菌症動物モデルで除菌効果が確認されており、中でもモルモット爪真菌症モデルでは既存薬と比べて優れた効果を示している。経口治療薬が主流の難治性爪真菌症に対して、画期的な外用治療薬となることが期待されている。
科研製薬が国内でも申請中
国内では、外用の爪真菌症治療剤「KP−103」として科研製薬が承認を申請中。2006年に科研製薬から欧米における開発・販売についてライセンス契約を結んだDow Pharmaceuticals Sciences, Inc.を買収したバリアント社が、引き続き開発を進めていた。
バリアント社の商品名は「Jublia」
バリアント社は、主に神経学、皮膚科学、ブランドジェネリックの分野における幅広い医薬品の開発と販売を行う多国籍のスペシャリティーファーマ。バリアント社では商品名を「Jublia(R)」としているが、日本国内では科研製薬は別の商品名を予定しているという。
成人の約6%から8%が罹っていると言われる爪真菌症。長期間の抗真菌薬を服用するのが従来の治療方法だが、本剤によって外用での効果的な治療法が選択できるようになるとしている。今後の国内での承認にも注目したい。(長澤 直)
▼外部リンク
科研製薬株式会社 プレスリリース
http://www.kaken.co.jp/