医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > アステラス 米バイテク企業とミトコンドリア関連疾患研究で提携

アステラス 米バイテク企業とミトコンドリア関連疾患研究で提携

読了時間:約 1分18秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年10月15日 PM05:20

著名な科学者が創立した米マイトカイン社と提携

アステラス製薬株式会社は、米国バイオテクノロジー企業マイトカイン社と、ミトコンドリア関連疾患領域における共同研究・開発に関する独占的提携契約を締結したと発表した。

(画像はwikiメディアより引用)

ミトコンドリア関連疾患の研究蓄積が背景

契約締結の背景には、近年のミトコンドリア機能やその分子機構、ミトコンドリアの様々な疾患への関与などの知見が蓄積し、ミトコンドリア創薬に取り組む環境が整ってきたことがある。ノーベル賞受賞者をはじめとする著名な科学者が創設したマイトカイン社が研究を主導し、アステラス製薬が研究員を派遣するとともに研究費の一部を負担するという。開発においてはアステラス製薬が主導、臨床開発費用を負担するとしている。

価値総額700百万ドル超、マイトカイン社買収も視野に

これに伴い、アステラス製薬は米国ベンチャーキャピタルのエムピーエム キャピタル及びロングウッド ファウンダーズ ファンドとともに、マイトカイン社へ総額45百万ドルを出資する予定。さらに5年間の契約期間内にマイトカイン社を買い取る独占権をアステラス社が有し、事前の合意条件に応じて、最大500百万ドル超の買収金額を支払う可能性もあるという。契約一時金および研究費、並びに買収権行使時のマイトカイン社の価値を含めた総額は、最大で730百万ドルになると予想される。

未解明のミトコンドリア関連疾患のフロンティアへ

遺伝性あるいは自然発生のミトコンドリアDNA変異や、ミトコンドリア機能に関連する核DNAの変異などに起因するミトコンドリア機能不全が、特定の細胞や組織に影響するミトコンドリア関連疾患は、その原因が解明されておらず、有効な治療法も確立されていない。その診断も、症状が多岐にわたるため複雑なプロセスを必要とし、正確に診断されていない例も少なくないと言われている。

両社はこの提携で、ミトコンドリア関連疾患領域のトップランナーとして、革新的な新薬の開発を目指すとしている。(長澤 直)

▼外部リンク

アステラス製薬株式会社 プレスリリース
http://www.astellas.com/jp/

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大
  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK