リンパ浮腫を対象とした世界初の遺伝子治療
創薬ベンチャーのアンジェスMG株式会社は10月4日、「コラテジェン(R)」(HGF遺伝子治療薬)に関し、原発性リンパ浮腫を対象とした第1/2相臨床試験を開始したと発表した。これは世界でも初めてのリンパ浮腫に対する遺伝子治療薬の臨床試験となる。
リンパ浮腫に対しては、現在、理学療法を中心とする対症療法がとられているが、中断すると悪化してしまうほか、理学療法の実施が困難な高齢の患者も増加しており、新たな治療法の開発が急務となっている。
(画像はwikiメディアより引用 Author:Bobjgalindo 参考イメージ)
「コラテジェン」は、肝細胞増殖因子(HGF)の遺伝子投与により、血管の新生などを促すもので、閉塞性動脈硬化症やバージャー病等の末梢性血管疾患における開発が先行しているが、リンパ管の新生という新たに見出された薬理作用から、リンパ浮腫の根本的な治療法となる可能性もあると期待されている。
コラテジェンを筋肉内投与し、1年間検討
今回開始された臨床試験では、治験実施医療機関において、リンパ浮腫のなかでも発症原因が不明の原発性(一次性)リンパ浮腫の患者を対象とし、コラテジェンのリンパ浮腫に対する実際の薬理効果を確認するという。
まず、リンパ浮腫によって脚の体積が健常側と比べて明らかに腫脹した被験者の脚部にコラテジェンを筋肉投与する。その後1年間浮腫の体積変化等を経時的に評価するなどし、コラテジェンの安全性と有効性を検討していくとしている。(紫音 裕)
▼外部リンク
アンジェスMG株式会社 プレスリリース
http://www.anges-mg.com/pdf.php?pdf=100561.pdf