今やコミュニケーションに欠かせない携帯メール。ところが、携帯メールが健康に好ましくない影響をもたらすのではないかという報告が寄せられました。
(この画像はイメージです sippakorn/FreeDigitalPhotos.net)
これは、アメリカの大学1年生を対象に、1日の平均的な携帯メールの送受信数と健康状態の関連を調べたもの。大学1年生は、新しい環境での生活から、健康上の問題を抱えやすいとされています。ワシントン・アンド・リー大学の研究チームでは、大学生の健康状態を把握するために、睡眠状態、こころの健康度、バーンアウトの度合い、という3つを調査の目安としました。このなかでも睡眠不足は、アメリカの大学生の7割が抱えている健康問題とされています。
今回の調査では先に挙げた3つの目安と、携帯メールの利用との関連を分析しました。その結果、1日当たりの携帯メールの送受信数が多い学生では、睡眠不足に陥っていることが多いことが明らかになったのです。
入学後に新たに知り合った人たちとの対人関係のストレスも睡眠障害の原因として考えられますが、対人関係のストレスレベルにかかわりなく、携帯メールの利用の多い人では睡眠不足を抱えるリスクが高いことが分かりました。
調査チームでは、この原因として、送られてきたメールに対してすぐに返信しなくてはいけないというストレス、そして就寝中も携帯を手放さないことにより、メールの着信音で眠りが中断されること、などを挙げています。
また、特に携帯メールでは略語などが頻繁に使われることもあり、細かなニュアンスの誤解が生じやすく、これが対人関係のストレスをも高め、こころの健康度を低下させてしまうのではないかとも指摘しています。
いつでもどこでもコミュニケーションを取ることができて便利な携帯メールですが、それだけに頼りきってしまうのではなく、あくまでも相手と顔を合わせて話し合うことが人間関係の上でも大切な時間であることをしっかり認識して、上手に利用したいものですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Texting While Stressed: Implications for Students’ Burnout, Sleep, and Well-Being.
http://psycnet.apa.org/
New Study Links Heavy Texting, Sleep Problems in College Freshmen
http://www.newswise.com/